2013年05月18日

米国経済ファンダメンタル分析(2013年5月時点)

NYダウは史上最高値を更新し続け、米国の景気回復期待から米金利は上昇傾向にあり、これに伴って米ドル高や投資家のリスクオン姿勢の強まりによる世界的な株高につながっています。はたしてこの米国景気に対する楽観論はゆきすぎなのでしょうか。米経済のファンダメンタルを分析することで今後の米景気に対する見通しを立てる際の参考になれば幸いです。

まず、米GDPの約7割を占める個人消費の動向は、小売売上高の推移から2010年後半以降回復基調が続いています。直近でやや小売売上高の伸びが鈍化し、マーケットでは米景気回復に対してやや懐疑的な見方が広がりましたが、依然として強いといえるでしょう。また、米鉱工業生産の動向についてもやや伸びが停滞しているものの、回復傾向というのが実態ではないかと考えられます。

消費と生産.png

個人消費と鉱工業生産が今後どうなるかについては、消費者信頼感指数とISM製造業景況指数をみてみると一定の示唆が得られます。消費者信頼感については米財政問題を懸念してやや弱含んだものの大きく低下しているというわけではありません。一方、ISM製造業景況指数については50を少し上回る水準となっており、少し弱含んでいる様子が見られ、製造業については楽観視できるほど強い状況ではないようです。

消費と生産(先行き).png

個人消費が回復傾向にあり、ISM製造業景況指数も50は上回ってともに拡大傾向であることから、米雇用情勢は非農業部門雇用者数の安定的な増加とともに失業率は低下しています。失業率の低下や雇用状況の改善はさらなる個人消費の押し上げ、及びそれに伴う景気の拡大につながるため、非常に良い傾向といえます。一方、製造業の見通しがやや弱含んでいることから、今後雇用者数の伸びが鈍化する可能性には留意が必要です。

雇用情勢.png

雇用情勢が安定してくると住宅が売れ始めます。住宅はローンを組んで購入することが大半であり、この先も安定して賃金が得られる、つまり雇用に不安がない状況となって初めて住宅を購入するモチベーションが生まれます。米住宅販売は非農業部門雇用者数の伸びが始まった2010年後半から件数が安定して伸びており、雇用の回復が住宅などの購入につながっていることがわかります。

住宅販売.png

住宅の購入が増えて、住宅を資産として持つ個人が増えてくると、住宅価格が消費の押し上げにつながります。米国は量的緩和第3弾(QE3)によってMBSを購入したことも背景として米住宅価格は上昇が続いています。

住宅価格.png

住宅価格の上昇に加えて米株高に伴って個人資産は増加しています。さらに銀行からの借り入れも増加しており、資産効果と借入増により米GDPの7割を占める個人消費は今後も堅調な推移をしていくとと考えられます。

純資産と銀行貸出.png

上記のように米景気はファンダメンタルからも堅調な推移を見せているため、米株価は史上最高値を更新し続けています。これに、日本のアベノミクスが加わり、日米の株価は堅調な推移を見せ、これがさらに投資家心理をリスクオンに傾けるという好循環が続いています。

株価.png

現状では多少の米経済指標の悪化に投資家心理は冷やされることなく株高傾向が続いています。大きなネガティブサプライズが出てくるまではこの上昇トレンドは続くのではないかと考えられます。

情報ソース:Institute for Supply Management、U.S. Bureau of Labor Statistics、Board of Governors of the Federal Reserve System、The Conference Board、U.S. Department of Commerce、Federal Housing Finance Agency、Standard & Poor's Financial Services、Yahoo Finance

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posted by フカン at 19:33| Comment(0) | マーケットビュー
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