2013年10月16日

米国経済ファンダメンタル分析(2013年10月時点)

米国については債務上限の問題及び金融緩和策の出口戦略に注目が集まっています。債務上限の問題は大きな問題とならないよう、政府が対処する可能性が高いと考えられます。債務上限の問題をクリアすれば次は米国の実態経済に目を移す必要があります。米国の実体経済を見てみると、これまで個人消費が堅調で製造業はやや弱い状況が続いていたものの、直近では製造業もセンチメント含めて改善の兆候が見られます。すなわち、米経済は年前半の相場上昇局面から着実に回復しているといえます。

まず、米GDPの約7割を占める個人消費の動向は、小売売上高の推移から2010年後半以降回復基調が続いています。3月、4月はやや減少、伸びが鈍化したものの5月以降は伸び続けており、引き続き個人消費は堅調に推移しているといえます。鉱工業生産についても伸びが鈍化していたものの、直近9月は再び上昇に転じています。

小売鉱工業.png

個人消費と鉱工業生産の先行きを予測する上で、消費者と企業のマインドを示す消費者信頼感指数とISM製造業景況指数が活用できます。消費者信頼感指数については、金融緩和策の縮小懸念や債務上限の問題が意識されていることから足元で伸びが鈍化しているものの、高い水準で推移しています。加えてISM製造業景況指数についても製造業の活動の拡大と縮小を分ける境目の50を上回って推移しており、米金融緩和策縮小のための下地は整っているものと考えられます。

センチメント.png

米雇用者数の伸びは8月にやや鈍化したものの、直近では15万人増と堅調な改善を示しています。また失業率についても改善傾向にあり、金融緩和縮小を後押しする結果が出ています。

雇用情勢.png

雇用の安定は住宅の購入につながります。住宅はローンを組んで購入することが大半であり、この先も安定して賃金が得られる、つまり雇用に不安がない状況となって初めて住宅を購入するモチベーションが生まれます。米住宅販売は非農業部門雇用者数の伸びが始まった2010年後半から件数が安定して伸びており、雇用の回復が住宅などの購入につながっていることがわかります。また、直近で中古住宅販売件数が順調に伸びており、米住宅市場も着実に回復していることがわかります。

住宅.png

9月末に発表された7月のS&P/ケースシラー住宅価格指数は前年同月比12.4%の上昇となり、2006年2月以来の最大の伸びとなっています。住宅価格など資産価格の上昇は個人のセンチメントに大きくプラスに働き、住宅価格の上昇が個人のセンチメント、そして消費を押し上げる要因となっています。特にサブプライムローンなど幅広い物件を含んだS&P/ケースシラー住宅価格指数が直近横ばいから大きな伸びとなったことは、個人のセンチメントに特に大きくプラスの影響を与えていると考えられます。

住宅価格.png

住宅価格の上昇に加えて米株高に伴って個人資産は増加しており、個人消費の先行きは堅調に見えます。一方、銀行貸出の伸びが直近で横ばいとなっていることには注意が必要です。

資産効果.png

上記のように米景気は堅調な個人消費が米景気をけん引し、さらに製造業のセンチメントの回復がさらなる景気回復期待につながっています。個人消費が活性化し、米財務問題や米金融緩和策の出口戦略に対する懸念が払しょくされ、銀行貸し出しが伸び、企業の設備投資家が増えれば、さらに米景気は拡大していくと考えれます。一方、金融緩和策の縮小懸念や米財務問題が長引くことによるリスクには注意が必要です。

情報ソース:Institute for Supply Management、U.S. Bureau of Labor Statistics、Board of Governors of the Federal Reserve System、The Conference Board、U.S. Department of Commerce、Federal Housing Finance Agency、Standard & Poor's Financial Services、Yahoo Finance

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posted by フカン at 00:49| Comment(0) | マーケットビュー
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